2001年06月13日(水) |
私を置いて行かないで |
置いて行かれるのは、嫌い。
眠る時に、いつもそう思っていた。
父は眠ったまま、心臓が止まって、そのまま帰らぬ人となった。 それ以来、誰かと眠る時、夜中に目が覚めたら、その人が生きているか どうか、必ず確認してしまう。眠るのが怖くなった。ぞっとした。 全身が凍った。おでこから血の気が引いて、焦燥にかられる。 くらくらする。指先が震える。
誰かを好きになって、その人が隣で、寝ている間に死んだらどうしよう。 …もう、置いて行かれるのは嫌。
もしも私を好きなら、そのまま一緒に連れて行って。
そう願いたい。息を確認する。心臓の音を確かめる。
そうして、少しだけ安心して、眠る。
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