日記をこうして書いているのは、まぁ趣味と言うのもあるんだけど、 書いてないと色んな事を忘れていってしまうからだ。
私はとても忘れっぽい性質で、大事な事も、好きな人の言った話も、 大事な約束も、その時の気持ちも、余程心に突き刺さってなければ 時間と一緒に流れていってしまう。
勿論私がバカだからなんだけど、そうして何でも忘れていってしまう事が 私は、怖い。
忘れる事は、昔の自分が、そう思った頃の自分が死んで行くような気がして 怖い。今ある自分と過去の自分は、確かにちゃんと繋がっているもの なのだけど、どこかで、それが切れてしまったような、そんな不安が 胸に湧くのだ。
過去から少しずつ自分が消されて行くような、そんな感じ。
それが怖くて、思ったことを書いておくようにしている。死ぬのは、怖い。
かといって、ここにある文が何かの偶然で消え去ったとしたら、それはそれで、 今の私は変わらないし、納得もするのだろうけれど、少し前に思ったことや、 ちょっと前の自分の気持ちを、時々どこかで読み返す事ができたらいいな、とは やはり思う。文章としての形なんて、あってもなくても、結局は変わらない。
私は死にたくないと、思う。けれど、普段から会えない人は、死んでいるのと そんなに変わらないのかも知れない、とも思う。本当に死んでしまった人には、 一生、今後、会える事が無いというだけで。
私はたまに死んだ人の事を夢に見るけど、そうすると目が覚めた後にとても 不思議な気持ちになる。だって、夢の中では彼らは生きていて、ちょっと したらまた会えるのかも知れないとか、まだどこかで生きているのかも知れない とか、そんなふうに感じるからなのだ。
過去の思い出は、だんだん、夢の世界との境界線を曖昧にする。
あれは、夢だったのか、過去の事だったのか。
それをはっきりさせたくて、やはりこうして文を書きつづけるのかも知れない。
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