JERRY BEANS!!

2001年10月27日(土) 人魚姫

童話の中で、とても好きだった話。
いまでも好き。
人魚姫は、人を好きになって、好きで好きで仕方が無い。
自分の声と引き換えに魔女にもらった脚は、
歩くたびにナイフで突き刺されたように痛む。
それでも王子様に気持ちを伝えたいと想った彼女は、
痛む脚で、唄の代わりに舞を踊る。

人魚には涙が無い。
だから、泣けない。涙も出せずに悲しみをこらえる時は、
人間の数倍は辛くて苦しいのだそうだ。

王子様の愛が自分に向かない事を知った彼女は、王子様の
肝を食す事で、人魚に還ることが出来る。だけど、好きな人は殺せない。

最期は海に命を返すように、その身を投げるのだけど
彼女の躰は、海の泡に消えて、その泡の欠片は、空に昇って
空気の精になる。神様の奇跡なんだ。

空気の精になって、彼女は生まれて初めて涙を流すのだけど
その時の声が、かつての何倍も澄んだ声で空気に溶ける。

最期は、海の泡になって終わりだと思っている人が多いんだけど、
彼女は、空気の精の仕事を全うした後は天国に昇るんだ。


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