誰かを美しいと思ったのは、多分今までで2人。
一人は、まるで相手にしてもらえなかった、あの人。 その、技巧的なまでに作られた精神が、あまりにも美しくて。死に近い。
もう一人は、貴方。 自然であろうとする真っ直ぐで正直な魂が、あまりにも美しくて。 生きているから、美しいのね。そう、言葉が生まれていく。
それまで、好きだった人は、いつも、誰も、欲望が先立った。 例えば、もっと善くしてあげたいとか、その人の良い部分が勿体無いとか、 もっと楽しく付き合いたいとか、一緒に遊びたいとか、そういう気持ち。
好きだなぁ、と思いはしたけど。その気持ちに嘘も無いけど。
自分に自信がないと気弱になる貴方の、それすら、真っ直ぐで。 …人を傷つける事を恐れる、貴方のその牙と爪が、戸惑う様子が、 やっぱりとても美しくて、愛しくて、たまらなくなる。
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