貴方と、ずっとは一緒に居られない。
それは、どんなに幸せでも、どんなに貴方が想ってくれていても、 私が貴方を想っても、いつも胸のどこかに佇む思い。
多分どちらかが先に死ぬのでしょう。
花の咲く季節か、緑の濃い季節か、葉の落ちる季節か、雪の降る季節か。
どうしてかしら。
貴方に手紙を書くと、いつも私の個人データを含んだ遺書みたいになる。 貴方と居ると、最後の最期に消えてしまうこの身体のことばかり 考えてしまう。だから気持ちは残るように、文字ばかり連ねてしまう。
だけど。私は全然嫌じゃない。 貴方と私を分かつものが、そういう理由であるなら嬉しい。
貴方が、私の言った言葉を覚えていてくれて、頭を撫でてくれたのが 嬉しかった。ぎこちない手つきで、思い出したように頭に触れた。 もしも、貴方が先に居なくなったなら、私はそれを思い出しましょう。 貴方は、私が先に居なくなったら、私の何を思い出してくれるのでしょうか。
思い出せる事が増えるように、どちらかが眠ってしまうまで、 胸の抽斗に、空気のような、何かを詰めて居たいのです。 一人になったなら、その遺品を取り出して元気になってくれたら嬉しい。
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