黒く澱んだ私の胸。
多分誰かに後ろ指さされて、ただ誰かに石を投げられても 私のとなりで笑うと言う。貴方の愛を誇りに思う。
子供の頃、いじめられて高学年の女子に何度も石を投げられた。 けれど、相手にしても余計にエスカレートする事を想像して ただ致命的な場所にさえ当たらなければ良しとして もくもく、下を向いて帰路を進んだ。
だから私のランドセルはぼこぼこで、黄色い帽子は灰色になった。
子供の私は独りだったから。
あの頃、貴方が居たのなら、きっと私は大人しくなんかなくて、 下も向かず、多分一緒に笑って、金属バット握って、 投げられる石をノックして返したんだろう。二人で笑っただろうな。 きっと、冷めない子供になっただろう。
打ち返す打球が誰にも当たらなければ良いんだ。投げられても。
闇に沈んでも、私は図太いから平気。 石が当たっても、黄色い帽子が灰色になっても、私は大丈夫。 独りならとても強いから。
だけど、今となりに貴方が居るなら、 下を向かずに、耐えずに金属バットを手にとるよ。 バットは金のメッキがキラキラ。音もきっと、多分に爽快。
貴方が引き摺り出してくれる、新しい私。いたずらに笑う。無邪気な。
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