つかめない星の下で辿る足跡
確かめ合ったぬくもり
ひとかけらになる度
横顔でそばにいる人から
見えない方の瞳で幾度も泣いた
隣の誰かが歌うと
心地良い空気が
2人を包んでくれるならばと
僕はいつもハモるばかり
本当に伝えたい言葉は
胸の奥で泣き叫ぶだけ
それからつかみ損ねたぬくもりが
後から巡り巡る心の中
転々としてきた僕の部屋
どこもかしこも散らかして
半ドアのままいつも走り去った
いつの日か僕は急ブレーキで
もと着た道を振り返る
深く踏みしめた跡と
忍び足で駆け抜けた跡とが
入り交ざった
美しさと暗闇が出来あがる
後ろ足で振り返る位じゃ
まとわりついた闇は振り払えない
色褪せたひとつひとつの場面が
あの頃の空気と共に色づき蘇る
それがなぜか恐くて
どこか切なくて
足跡辿るのは短く終わり
今は無数の星の下で
光を浴び夜空を感じる
きゅっとまぶたを閉じて
灯りも無い真夜中の山道
闇で埋め尽くされたこの場所
息をひそめれば
存在すら闇に葬られるような
少しだけ胸が高鳴り
少しだけ衰弱してゆく
ただ見上げてみれば
星が零れ落ちそうな夜空
無条件に闇に美しく包んでくれる
神の仕業とも思える
この輝く無数の星の下で
洗礼を受けた私は
又一つ大切な事を覚えました。