高萩の家に、祖母から電話がくる。 祖母は、私に、探りを入れるように「何か隠していることがあるのではないのか」と聞く。 私は、この街にくることを言って出てこなかったので、内心心苦しかったが「別にないよ」と答える。 すると、祖母は火がついたように怒って、「どうしてそんな嘘をつくの。全部知っているんだよ」と大きな声で言った。
スーパーにいる私。 チョコエッグを買おうと、お菓子売り場にいく。 すると、いつもはチョコの中にカプセルが入っている形なのに、外側のチョコがすでに動物の形になっていて、中身が分かってしまう。 でも、ものめずらしいので、2、3個買うことにする。
イッセ−尾形の家にいる。 一緒に住んでいるか、見学に行ったのか、どちらか。 近代的なつくりの家で、なんだか忍者屋敷のようだった。 イッセ−尾形は、今度、うちの父の真似を、ひとり舞台で披露するらしく、その練習をしていた。 練習している部屋には、大きな窓があって、廊下から練習風景が見られるようになっていた。 イッセ−尾形は、ちゃんと父と同じような格好をしていて、それをみながら「すごい似ているなぁ」と思う私。
バイト先に行ったら、パートのおばさんや、アルバイトの人が、「富田さん(店長)が、急性白血病で倒れたのよ」と教えてくれた。 つい今しがた、運ばれた所らしい。
場面変わって、どこか、車の多い道を歩いている私。 向こうから、店長が歩いてきた。 私は「大丈夫?白血病って」と聞くと、彼女は「うんうん、なんか、最近貧血っぽかったんだよね。注射打ってもらったから。大丈夫大丈夫」と手をひらひらさせて言った。 私は、白血病ってそういうものなかぁと思いながら、彼女と一緒に、バイト先に帰る。
善光の家に2人で帰る。 暖かい夜だ。
駅からバスにのるんだけど、ちょうどいい時間がなくて、コンビニで買い物をすることになった。 私は、必要なものをいくつか見繕って、善光のところに行く。 彼は、手に持ったカゴいっぱいに、商品を入れていて、その時は、なんか、ペットボトルの飲み物を取り出すところだった。
私は「こんなに買うの!?」と驚いたけれど、きっと全部必要なんだろうと、そのままにして、気にしない。
会計をすませて外に出ると、善光が、あのスーパーなどで、カゴを入れて引くカートを手に、待っていた。 そのカートには、カゴが4つ乗るようになっていて、その4つのカゴいっぱいに、買い物したものが入っていた。 そのまま、カートも一緒に持って帰るらしかった。 おかしいとも思わない私。
バス停まで、2人でがらがら引いていく。 バス停には、学生のような若者が、本当にたくさん、ごちゃごちゃといて、私たちも、その中にまぎれて、バスを待つ。
思い立って、善光の家に行くことにした。 あの家は、変わらず、あの町の、あの細い坂を登ったところにあった。
善光は、私が来たことに、ほんの少しだけ驚いて、でも、家の中に入れてくれた。 バスルームに、誰かがいる気配。 私は、あぁ、やっぱり新しい彼女がいるのだなぁと心の中で思った。
部屋は、前と変わらない場所にあるのに、入ってみたら、前より倍くらいの広さになっていた。 家具もこざっぱりしていて、余裕があった。
私は、前と同じように、ベットに座って、壁によりかかった。
ふと、バスルームから、女の人がでて来た。 体にタオル一枚を巻いて。 でも、それはまったくいやらしい感じではなくて、彼女は、ショートカットで、手足の長い、すらっとした人だった。 部屋に入ってすぐのところにおいてあった、Tシャツと半ズボンを持って、またバスルームにもどり、着替えて出て来た。 本当に、男の子のような体で、でも、それでも気持ちの良い色気のある人だった。 すごく素敵な人だった。
彼女は、私をちらっとみたあと、窓側の壁に寄り掛かって、本を読み始めてしまった。
私は、なんか、善光といろいろ話したような気がするけれど、あまり覚えていない。
昼間についたのに、あっという間に夜になった。 「もう帰るね。どうもありがとう」と私は言った。 善光も何か言ったけれど、全然覚えていない。
春と夏の合間の、不思議な暖かさの夜で、駅まで帰りながら、猛烈に一人を感じた。
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