心臓が痛いよ。 なんでかわからないけど。 とても痛い。
前にもこんな現象起きたよね。 ほら、あの時。それとあんなことがあった時。 人の心にはちゃんと記憶が刻まれていて 同じ痛みを受けた時にその傷が疼くようになっている。
忘れてなんかいない。 消してしまうことなんてできない。 ただ癒えることだけを待っている。
何が悪くて、何が良いかなんて知らなくていいから その傷が出来たこと、その傷を負わせてしまった理由を 自分の中で認識しなくてはいけない。 その作業を怠れば、今みたいに理由もなく痛みだけを感じることになる。
―――――聞こえない悲鳴
+
色んなことを考える。 色んな思いに身を馳せる。 色んな人に会う。 色んなものを身につける。 色んなあたしが存在する。
もんもんとした想いがいつまで続くのかはわからないけど その答えを見出しても、次のもんもんが待っている。 何かに怯えて、不安に思うのは「未来」が存在する証拠。 何かを期待して、心を躍らせるのは「現在」の楽しみ。
色んなことを考える。 色んな知識に驚く。 色んな人を愛する。 色んな世界が待っている。
もんもん もんもん もんもん もんもん
+
すごくすごく日本の言葉が恋しい。 日本の音楽を聴いていると一滴もこぼさないように脳が飲み干す。 一つ一つの単語の意味をあたしの持っているカードと照らし合わせながら。 あたしの持っている言語と世の中の持っている言語に溝ができていたら それはあたしの経験と常識の溝なのかもしれない。 比較するものができるとどちらが優勢で、どちらが劣勢かと判断してしまう自分がいる。 あたしは言葉が好きでたまらない。こんなへんてこな感情は初めてだけど自分の言語、日本語に誇りを持つことができた。 今日話した言葉が明日につながって、今考えている言葉が「次」を作り出す。 言語の持つ意味、命、そんなのを考えるようになった。 人間だけに与えられた「優れた能力」は言語だと思う。 人間のくせに人間はくだらないことばっかりしてるな、なんて思ってたけど言語を通して人に出会うことはモルヒネ分泌量がはんぱなくて最高なのだ。 だからもっと自分の言語能力をあげたい。今のあたしには活字が足りない。 のどが渇いて仕方がない。もっと言葉を。
+
最近、何のために英国へ来たのか忘れそうになっていた。 ただ英語を勉強しにきたのか? 否、違う。自分の意識を高めるために来たのだ。 むしろ自分を自分で試すつもりでいた。 どこまでやり切れるか。 けれど今は「楽しむ」「安心」ばかりを求めているのは一目瞭然。
でもスタートラインに立っているのは確かで、 あとは合図を待つばかり。 けれどその合図は一向に鳴る気配がない。 これは迷い。だろう。 まだ英国の社会にすら入り込めていないのに 苦労することなんかない。
誰かあたしのお尻を叩いてちょうだい。 このままではスタートもしないままベンチに戻るだけだ。
どうにかして走り出したい。 走って走って、見たこともない場所へと到着したい。
+
何故かいつも君のことを想う この感情はなんなのだろう?
いつもあたしは卑怯で臆病 けれどあなたは黙っているだけ This is a lack of communication.
あたしはいつもどこか他のところにいて あなたはいつもそこにいるのね 何が問題なのかもわからないでいる
あの光 あの体温 あの言葉
あたしから離れないのはなぜ? いつも遠くにいるくせに もう同じ夢は見たくない
This is a lack of realization.
+
|