あなたがあたしを呼ぶ
あなたがあたしの名前を呼ぶ
その柔らかくて温かい声で
あたしの名前を
耳の鼓膜を揺らし
それがあたしの名前であるといういことを
認識する前にあたしの心は弾み
あたしの名前があたしのモノであることに歓喜し
あなたが「あたしの名前を呼ぶ」という
その行為そのものに笑みがこぼれる
あたしがあたしである限り
あたしの名前を呼んで
そうすれば自分を見失わないですむから
+
あたしに残された幸せな日々は あと残すところ3ヶ月しかない。 何度も先を見ては泣いていた。 何度も降り注ぐ優しい言葉を聞いては涙していた。
何もかもが輝いて見えて 何もかもが素敵になって 何もかもがこのまま美しい記憶になる。
小さくて、無力なあたしたちは お互いの未来を壊さないように 「別れ」を選ぶことになる。
どうしても「別れ」を選ばなくてはならないのかと 日々、葛藤の繰り返しで、とどまることなく泣いては 次の日の笑顔のためにたくさん眠る。赤ちゃんのように。
今日で3ヶ月目。そしてあと3ヶ月の有余。 悲しい結末を知りながら演じられる恋物語はあまりにも切なく 時に燃えるような情熱を生む。
これは君に捧げる物語。
+
|