My life as a cat
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2025年05月02日(金) 魔法のクリーム

「あっ、ママの指がプッパ(イタい、イタい)してるよ」

と息子がわたしの指の擦り傷を見て言った。

「No worries! 僕はなんでも治る魔法のクリーム持ってるからね」

はぁ。

なにやらチューブに入ったクリームらしき物を持ってきて、小さな指で念入りに傷口に擦り込んでくれた。そのチューブには“リップバーム“と書かれていた。


わたしとは日本語で話している息子だが、寝言やひとりで遊んでいる時に口にする言葉は英語、フランス語、日本語、スペイン語が全部ごちゃ混ぜ。彼なりに他言語の間でそこそこの苦労をしているものの、英語で動詞にSがつく場所、スペイン語とフランス語では女性と男性名詞の分別、そしてそれに続く形容詞の変化などが自然と正しく話せるのは彼の宝だと思う。大人になってから学んだ言葉というのはこういうわけにはいかない。


日陰でのんびりと寝そべって過ごすのが最高の贅沢という季節になった。ランチを持って、午前だけで仕事を終えた夫と待ち合わせて川沿いにピクニックにでかけた。ブランケットを敷いて、パンやお菓子を食べ、紅茶を飲み、寝そべり、本を読み、歩いて周囲を散策する。ここにあるのは真っ青な空と木と草と野花と水と石と。。。。息子は色んな色の石を拾い、川に投げ、野花を摘み、蛇やカエルを探す。わたしは彼にクリエイティビティを培って欲しくて、遊び方に既成の型があるおもちゃなどをほとんど買ってあげてこなかったのだけど、息子は逞しく色んな物を拾い集めて、あらゆる物を創作する能力を身につけてる。自然の中に放置しても、そこで色んな遊びを見つけていつまでだって遊んでいられる。いつもは忙しい夫もずっと彼とひっついて一緒に虫を探したりしてくれたのが、きっと彼にとっては嬉しかったのだろう。帰り道、

「ぼく、ここすき。またこようね」

なんて言ってた。


Michelina |MAIL