今夜は・・少しウルルンしてます。ああ・・誰も訊かないで・・・(笑) 泣いたカラスが笑います。かぁかぁかぁと3度鳴く。
そうしてお山に帰ります。可愛い七つの子が待っている。 イチバン大きな子が泣いていました。 この子はお兄ちゃんだから・・めったに泣かない子でした。 そして甘えることがとても苦手。いつも澄ました顔をして「お兄ちゃんだもん!」
弟カラスや妹カラスは・・「お母さ〜ん」と甘えます。 「よしよし・・お腹が空いたね」お母さんはイチバン小さな妹に嘴をちょんちょん。 僕も私も〜とみんなが大騒ぎ。でも・・お兄ちゃんは・・何も言えない。
お山に夕陽が沈みます。風がぴたりと静かになって空気がしんしん冷えてくる。 「お母さん寒いよ・・」「よしよし・・さあ抱っこしてあげよう」 わ〜いわ〜いとはしゃぎまわる子供達。でも・・お兄ちゃんはずっと空を見ていた。
もうすぐ一番星だ・・僕が見つけるんだ。僕だけ見つけるんだ・・。 誰にも教えてやらないからな・・僕だけの星だから・・絶対誰にも・・。
あっ!見つけた・・やったぁ・・ああ綺麗だな・・これが僕の宝物だ。
お兄ちゃんはもの想う。今日のこと・・すごく恐かったことや辛かったこと。 お母さんが居なくて不安で心細かったこと。僕がみんなを守らなきゃって頑張ったこと。 早く帰って来てよ・・ってほんとはこっそり泣いたこと。
やがて空いっぱいの星たち。数え切れないくらいの宝物。 もう何もいらないや・・と、ふとお兄ちゃんは思った。 そしたら涙がいっぱい零れる。どうしてなのかわからないけど涙がぽろぽろ・・。
ぶるぶる震えながら泣いていた。羽根が夜露に濡れていく。寝床が涙で濡れていく。
「あっ・・流れ星!ほら早くあっちよ!」
お母さんが羽根をバタバタさせながら声をあげているのだった。 振り向いたお兄ちゃんは・・とても不思議な光景を見てしまった。 お母さんの目が・・一番星より輝いていて、それは宝物よりもっとキラキラしてて。 今まで見たどの星より・・好きだなと思った。
お母さんの背中に負ぶさって・・また流れ星を探した。 きっともう一回・・絶対に見えるよってお母さんが言った。
お母さんの背中はとても暖かで・・とても懐かしいにおいがした。 僕だけのお母さんだ・・お兄ちゃんは嬉しくなって・・また泣いてしまった。
ほらほら・・もうすぐ星が降って来るよ
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