日が暮れて・・また訃報が。 夫君の親友が亡くなったと知らせがあった。 すぐに行ってあげたらと言っても、いや・・今夜は行かないと言って肩を落とす。 そしてご飯を食べながら泣き出してしまう。眼鏡を外して涙を拭う。
ほら・・早く行ってと言えない。どうしていいのかわからなくなった。 そしたらやっと席を立って、「行く!行って確かめてくる」って出掛けた。
送り出す時・・玄関のポストに何か入っているのに気が付いた。 手紙ではなくて、それはちょっと分厚い封筒だった。 見覚えのある字にはっとして急いで中身を確かめる。
『てのひら般若心経』という本だった。 そして手紙。「お誕生日おめでとう。しんどい時もあるけどそればかりに囚われないで 本来の実香のまま。笑顔の素敵な実香でいてください」って。
嬉しさとありがたさで・・泣き崩れてしまった。 中学からの親友。今年の春に再会してから・・会えないままでいた。 泣き声のまま電話をかける。父が死んだことも知らせないでいた・・。 彼女も一緒に泣き出してしまう。ありがたい友だった。ほんとうに尊い友。
その本には石仏の写真がいっぱいで。 それをどうしても私に見せたかったそうだ。 どんな優しい言葉よりも癒されるんだよって言って。 頬杖をついている姿。頭を抱えている姿。あっかんべしている姿もあった。
ひとはいつか死ぬから。でも生きて悩み苦しみそして開き直ることも。 何よりも宇宙にあり自然の恵みによって生かされているのだと思う。 それはこの一年・・私なりに学び。感じ・・感謝してきた最大の幸であった。 友も・・同じ喜びを感じていたのかと思うと、まるで同士のようにありがたく思う。
生を尽くすこと。それは死に至ることかもしれないが・・ 与えられた命を最大限に生かすことが「生きる」ことではないだろうか・・。 無念もあろう。でも・・それがやれるだけやった命の行き着くところだと思う。 その時が来れば・・潔く逝きます。私だって・・死ぬ時は死にます。
電話を終えて・・娘とふたりで誕生日のケーキを食べた。 「死ぬ時って・・どんなだろうね」とか。 「すぅ〜と抜けていくのかな・・」とか。 「その抜ける時、引き返せないのかな・・」とか。娘と・・語る。
そして夫君が帰って来た。 「やっぱ死んでた・・」と言って。 でも・・あいつすごい生きてる顔してたぞって。 青白くもなんともなくて、酒に酔ったみたいなピンク色だったって。 でも・・死んだんだな・・と。また泣き出してしまった・・。
電話が鳴る。みんなでびくっとしてしまう。 ほら・・毎年あったから。
「おお!みか・・誕生日おめでとう!なんぼになった?」って。
お父ちゃんから・・・。
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