ミニトマトのまんまるこいあの赤い色が好きだ。 おっきなトマトにはない可愛らしさで。 食べちゃいたいっていうのは。きっとこれのことだと思う。
今年も夏の贈り物がいっぱい。 姑さん。ながいこと入院していたのに。いつの間に植えたんだろうって。 「美味しいね」って言うとすごく喜ぶ。毎日ちぎって食べなさいと言う。
夕方のトマトはぬくぬくしているけれど。 太陽の恵みがいっぱいだから。甘くて。口の中でとろけてしまいそうだ。
そうして一日の疲れがいずこへと去る。
足をひこずるようにして夫君が帰ってくる。 愛犬が「きゅ〜んきゅ〜ん」と鳴く。 いくら疲れていてもそれは彼の。もはや今は役目のようで。 落ちようとしている太陽に向かって。てくてくと向かって行く彼と愛犬。
私は鰹を切って。握り寿司を作る。酸っぱい手でビールを飲みながら。 ふたつ握っては。ぐいと飲み。また握ってはぐいと飲んで。
散歩から帰って来た彼が「おおっ〜」と唸る。 とにかく風呂だ!と言って。大急ぎでカラスの行水。
ふたりきり向かい合ってお寿司をつまむ。 いつか・・ずっとこうしてふたりきりになるんだな・・と思う。
老いるということは・・どこか淋しくて。 それでいてそれがあたりまえのように平穏で。
ただ全うするもののために。生き長らえる・・ことだろうか・・?
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