目覚めたら雪が降っていた。 雪の精たちが天使のように舞い降りてくる。 はらはらとすこしせつない。 なんだか哀しい歌をうたっているように感じた。
だいじょうぶ生きているよ。
昨日は顔もあげられなかったあんずが 私の顔をのぞきこむような仕草をした。 母さんはわたしが死ぬって思っているんでしょ。 死なないよわたし。ちゃんと生きているからね。
そんな声が聞こえてきたような気がして ごめんね、ごめんねってあんずをぎゅっと抱きしめた。
お豆腐を一口だけ食べさせる。うまく口があけられない。 やっと食べられたと思ったら飲み込めずにこぼしてしまった。 そんなことを何度か繰り返しているうちにやっと飲み込むことが出来た。
よろける足を踏んばって踏んばってやっとの思いで立ち上がった。 一生懸命がんばっている。負けないよってがんばっている。
あんずの大好きな雪が降っているよ。 見せてあげたいなってすごく思った。
もしかしたら最悪の状態を乗り越えたのかもしれない。 薄っすらとではあるけれど希望が見えてきたように思う。
なんとしても生きようとする生命力に感動せずにいられない一日になった。
|