四月もとうとう最後の日。 春雨というより「小ぬか雨」と言ったほうが似合う雨。 降ったりやんだりで夕方からまた静かに降り始めている。
川仕事、漁場の撤収作業も二日目。 今日は涼しくてずいぶんと楽だった。 干潮の時間がだんだん遅くなる。明日は午後からになりそうだ。
少し遅い昼食の後、姑の病院へ様子を見に行く。 一時帰宅していたのを昨夜送り届けたのだけれど、 いつも仕事帰りに寄っている義妹が今日は行けそうにないと言う。 帰宅している間もそうだけれど、義妹にばかり負担をかけている。 「みんなで助け合おうね」と言ったのは他でもないこの私だった。
姑は病室に居てちょうどリハビリの先生が来てくれていた。 昨夜から痛みがひどくなりいつものリハビリが出来ないのだそうだ。 今朝はもう自信がなくなって泣いてしまったよと嘆いていた。
リハビリの先生はすごく優しくていっぱい励ましてくれる。 「明日は立とうね」って言って姑とゆびきりげんまんしてくれた。
ふっと私は、とても大切なことを疎かにしていたように感じた。 病院を頼りにばかりしていたけれど、家族がもっと支えてあげなくてはいけない。
私も姑とゆびきりげんまんしてあげれば良かったと後から悔やまれた。
姑は手みやげの薄皮まんじゅうを二個平らげて「美味しいね」って言って。 「もう帰っても良いけん」と私に気を遣ってくれたようだった。
いつもの私ならほっと喜んで病室を後にしていたことだろう。
けれども今日はなんだか心の奥が疼いて、後ろ髪を引かれるようにして帰った。
出来ることを出来るときに。それは今以上でなくてはいけない気がする。
どんなに尽くしても尽くしきれないことがきっとあるのだと思う。
夕方のお大師堂で手を合わせながら、「ごめんなさい」とつぶやいていた。
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