今日から山里の職場に復帰する。 長いあいだ母ひとりに苦労をかけていたこと。 心苦しさを振り払うように山道を駆け抜けて行く。
そんな山道が土佐清水市から三原村に代わったあたり いかにもご高齢だと思われるひとりのお遍路さんに出会う。 歩くのがとても辛そうに見えて思わず声をかけずにいられなかった。
この先は峠道。もし良かったらとクルマでのお接待を申し出た。 そうしたらとても喜んでくれて私もほっと嬉しく思う。
聞けば81歳だと言う。愛知県から15日間の区切り遍路だそうだ。 毎年少しずつ歩いているそうで、今回が三度目のお遍路だと言うこと。
半袖の白いシャツから日焼けした腕がとてもたくましく見える。 足取りはおぼつかなく見えたけれどなんと若々しいことだろう。
「何かを始めるのに遅すぎることはない」その大切さを強く感じた。
途中の遍路道の入り口まで。クルマだとほんの10分足らずの道のり。 お別れするのがとても名残惜しかったけれど後姿を見送って別れた。
「ご縁ですね」って言ってくれた一言がとても嬉しかった。
今頃は宿でゆっくりとくつろいでいることだろう。 明日は無事に伊予路に向って歩き出すのだろうと思う。
どうかたくさんの縁に恵まれますようにと祈っている。
ささやかなご縁。その姿にとても勇気をいただいた朝のことだった。
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