八月の最初の朝は蝉たちの元気な声で始まる。 「蝉しぐれきみらの元気にぼくは負けない」と一句生まれた。
今日も気温は37℃近くまであがり猛烈な暑さとなる。 仕事から帰宅するといつも茶の間にいるはずの夫がいなかった。 もちろんエアコンもついていなくて窓も締め切ったままだった。
いったいどこに行ったのかしら。不思議に思いながら 急いでエアコンをつけて涼をとっている間にうたた寝をしてしまっていた。 夫が帰って来てはっと目を覚ます。なんと山火事があったらしくて 消防団で出動して消火作業をしていたことを知る。 猛暑の中、ほんとうにご苦労様と頭が下がるばかりであった。
「冷蔵庫にイワシがあるぞ」今朝釣りに行っていた従兄弟が持って来てくれたそうだ。 新鮮なイワシ、手開きにして胡瓜となますにしてご馳走になった。 「美味いな」と言いながらビールをぐびぐび飲み干す食卓は幸せを絵に描いたよう。
夕食後、お大師堂にお参りに行く。夕陽がきらきらとまぶしい。 今日の平穏に感謝する。そうして無事に朝を迎えられるように手を合わす。
帰宅してからあんずと散歩。「よういどん」をするのは今も変わらない。 そうしてすぐにくたばってしまうのだけれど、それが彼女らしさでもある。 最近では逃亡する心配もなくなったので、好きなように歩かせている。 歩くと言うより草の中で遊ぶことが多くなった。くんくんと匂いをかいで いったい何があるのだろうと不思議に思うくらいその場所から動かない。
「あんちゃん、そろそろ帰ろうか」リードを引っ張ると機嫌が悪くなる。 それを無理やり引っ張るものだから私に引きずられるようにして帰るのだった。
振り向くとなんだかとてもせつない目をしている。 何かを訴えているような。言葉を交わせたらどんなに良いだろうか。
そうして暮れていくいちにち。夜風を待ちかねていたように自室にこもる。
ちびちびと焼酎タイムをしながら明日のことを考えているのもしあわせ。
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