十六夜の月のなんと綺麗なことだろう。
9月もとうとう晦日となった。
午後0時5分、母が静かに息を引き取る。
義父が来てくれるのを待っていたかのように死んだそうだ。
危篤の知らせを受け大急ぎで駆け付けていたが間に合わなかった。
少しも苦しむこともなく大きく息を吸ってそのまま眠るように。
母らしい素晴らしい最期だったと医師が話してくれた。
寂しさも悲しさも感じない。まだ母が死んだ実感もない。
だって母が微笑んでいるのだもの。どうして悲しむ必要があるだろう。
義父が家へ連れて帰ってやりたいと言ってくれて
母は山里の義父の家に帰った。
別居が長かっただけに母もきっと喜んでいることだろう。
母の枕元にいつも一緒に寝ていた犬のぬいぐるみをそっと置いて帰って来た。
明日がお通夜。明後日が告別式である。
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