十六夜の月の次は何と呼ぶのだろう。
今夜も綺麗な月が煌々と輝いている。
母の通夜式を無事に終えて帰って来た。
なんと多くの人が焼香に駆けつけて来てくれたのだろう。
お棺の中の母は相変わらず微笑んでおりとても嬉しそうであった。
弟がお棺に縋りつくようにして泣いている。
「お姉ちゃんはまだ一度も泣いていない」と言ったら
「おまんは薄情ながよ」と怒った顔をしていた。
私もどうして涙が出ないのか分からなかった。
もうお通夜だと云うのにまだ実感が湧かない。
母は確かに死んでしまったのだけれど失ったとは思えないのだ。
明日は骨になってしまうらしい。それさえも信じられないでいる。
いったいいつになったら私の心の中の母が死んでしまうのだろう。
もしかしたらずっと死なないまま生き続けているのかもしれない。
中秋の名月。十五夜の日に母は息を引き取った。
「秋月等照信女」と云う戒名を頂いた。
|