ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2024年04月30日(火) 風に訊いてみたかった

薄雲が広がっていたが概ね晴れ。

気温が28℃まで上がりすっかり初夏の陽気となる。

まるで梅雨の晴れ間のように蒸し暑くてならなかった。


玄関先の燕の巣が何者かに壊されてしまったらしく

今にも崩れ落ちてしまいそうになっていた。

卵が在るのかは定かではないが親鳥の哀しそうな声がする。

今日は必死で修繕作業をしていたのだろう巣が元通りになっていた。

毎年のことだが無事に雛が育つまでは心配でならない。

去年は蛇に襲われてしまったのだ。二度とあってはならないことである。




早いもので4月も晦日。あらあらという間に日々が流れてしまった。

今朝は月末の仕事のことで頭が一杯だったがなんとなるものである。

資金繰りは苦しかったが午前中に全ての支払いを終えることが出来た。

僅かではあったが売掛金の回収も出来お客様は神様だと思う。


義父は全く無関心であった。それだけ私を頼りにしているのだろう。

そう思うとなんとしても乗り越えようと躍起になって来る。

母が仕事から離れてもう何度目の月末だろうか。

いつだったか「あんたは偉いね」と言ってくれたことを思い出していた。

あれは褒めてくれたのではなかった。母はきっと悔しかったのだろう。

それだけ母の苦労は大きく月末は気が狂ったようになっていたのだ。

今の私だって決して易々と乗り越えているわけではない。

ただ会社を守りたい一心で精一杯のことをやっているだけである。


事務所に置いてある母の遺影に「やったよ」と声をかけて退社した。

明日からまた気分一新で仕事に励みたいと思っている。




今日はあやちゃんの短歌を最後に書いた。


「誰一人心の鍵を渡さぬと少女の部屋に吹き抜ける風」


未だ家族の誰もあやちゃんの心に触れたことはない。

鍵はあやちゃん自身が大切に持っているのだろう。

それを奪い取ることがどうして出来ようか。

ただそっと見守るしか出来ないまま一年が過ぎた。


昼下がり窓を開け広げているだろうと思った。

風が吹き抜け長い髪を揺らす姿が見えたような気がしたのだ。

一歩も外に出ることのないあやちゃんにとって風は友達かもしれない。

風となら語り合える。風になら心を開けるのではないだろうか。


詩ならともかく僅か31文字の短歌で表現するのは容易くはない。

読んでくれた人は皆きっと誰のことなのか理解出来なかっただろう。

それでも私は書きたかった。風に訊いてみたかったのだ。







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