晴れのち曇り。今夜遅くには雨になりそうだ。
今度こそ「花散らしの雨」になるかもしれない。
つつじの花が咲き始めれば藤の花も咲き始める。
花たちはそうして季節を繋いでくれるのだった。
誰の指図も受けない。ただ咲く時を知っているのだろう。
工場の仕事が気掛かりでならなかったがお休みを頂く。
心苦しくてならないが「カーブス休暇」であった。
筋トレ中にお客さんから3回も着信がある。
そうなればカーブスどころではなくなり集中出来なかった。
休んでいる私が悪いのだと思う。仕方ないことなのだろう。
カーブスを終え買い物を済ませてからダイハツへ向かった。
やっと部品が整ったようでパワーウインドウの修理である。
プロの手に掛かれば今度こそ完璧に直ると信じるしかない。
それにしても窓の開かない車の何と不便だったことだろう。
気温が高くなれば暑くエアコンを点けなければいけなかった。
午後は例の如くでごろごろと寝てばかりである。
怠惰を貪るのにも少々飽きてしまった。
かと云って何もする気になれない。困ったものである。
娘達が夕食不要と云い残しダンス教室へと出掛けて行く。
めいちゃんは余程ダンスが好きなのだろう嬉しくてならない様子だった。
好きなことを貫いて欲しいと願う。将来が楽しみでならない。
ステーキを焼いていたのであやちゃんに声を掛けたが
「お母さんが帰るまで待つ」と云って聞かない。
それはとても素っ気ない声で何だか拒否されているように感じた。
とにかく干渉してはならない。そっとしておくべきなのだ。
もう待つことにも慣れてしまったのだろう。
それを憐れに思うのが老婆心でなくて何だろうと思う。
夫と話していれば平日は時々散歩に出掛けているのだそうだ。
それも娘が出掛けている時だけのことらしい。
そうして夫の居る茶の間に来てはあれこれとおしゃべりをするのだそうだ。
母親である娘も祖母である私も知らないあやちゃんがそこに居た。
土手の道で川風に吹かれている姿を想う。
春の陽射しの眩しさに目を細めていることだろう。
窓
はるさんは中学生になったが まだ一度も学校に行っていない
一年何組かも知らない 担任の先生も知らない クラスメートも知らない
満開だった桜の花がはらはらと散り始めた 窓を開けると優しい風がまるで友達のようである
「なつさん」と呼んでみたが声は届かなかったようだ 学校へ行けば隣の席なのだろう もしかしたら親友になれるかも
どんな顔をしているのだろう 笑うと笑窪がとても可愛いのだ
窓の外はきらきらと輝いている はるさんは独りぼっちだったが 少しも寂しさを感じなかった
もう三度目の春のことである
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