2025年08月27日(水) |
馬鹿は死ぬまで直らない |
晴れたり曇ったり、山里ではぽつぽつとにわか雨が降る。
おかげで猛暑は和らぎほんの少し秋の気配を感じた。
雨雲レーダーを見ていると国内の所々に赤色の強雨層が見える。
突然のゲリラ豪雨なのだろう。河川の氾濫や浸水の被害が心配だった。
地球温暖化のせいなのか最近の雨の降り方は異常にさえ思える。
山里は幸い小雨。市内も今日は大丈夫だったようだ。
義父は朝のうちにお米の出荷。その後直ぐに稲刈りをしていた。
今日も例の友人達が手伝いに来てくれて何と助かったことだろう。
雲行きが怪しくなった時ははらはらとしたけれど
少々の雨にも諦めることなく午後からも続行する。
しかし順調とは行かず一台のコンバインが故障してしまった。
義父の腕の見せ所であり千切れたベルトを直ぐに交換する。
その一部始終の勇ましいこと。さすが義父だなと頼もしくてならない。
今日の稲刈りでほぼ半分だろうか。まだまだこれからが勝負である。
工場も順調でまた新たな車検が入庫していた。
腰痛持ちの同僚には苦労を掛けるが労いながらであった。
とにかく目の前のことをやっつけていかなければならない。
私は段取りをするばかりで何の役にも立たないのだった。
同僚に声を掛け2時半に退社する。
サニーマートに新物の秋刀魚がたくさん並んでいたが
一匹6百円もする。とても庶民には手の出せない高級魚である。
今年は秋刀魚が豊漁と聞いていたが安くはならないのだろうか。
何だか納得が行かなかったが買えないものは仕方ない。
鮮魚売り場をうろうろしていたら冷凍の塩秋刀魚を見つけた。
これは安く一匹250円で迷わず3匹買い求める。
一人一匹とはいかないところがいかにも貧乏人らしいではないか。
サービスカウンターへ行くと店員さんが煙草をカートンで出して来る。
もう常連になっているので顔を見ただけで直ぐに分かるのだろう。
しかし何と情けないことにお財布が寂しくて泣いているのである。
正直に「激しく金欠」と伝えると店員さんは憐みの表情をしていた。
煙草さえ買わなければ新秋刀魚も買えたかもしれない。
「貧乏人」なのは煙草のせいかもしれなかった。
日々のやり繰りに煙草代が嵩む。それが大きなストレスになって行く。
しかしそれを止めることが出来ないのもまたストレスになるのだった。
すべて自業自得であるが私は深い穴から抜け出せずにいるようだ。
そのうち穴に閉じ込められるのかもしれない。
それでも息をして必死に生きようとするのだろう。
馬鹿は死ぬまで直らない。しかしまだ死ぬわけには行かないのだ。
※以下今朝の詩(昭和シリーズより)
人参
まやちゃんのお弁当には いつも人参が入っていた オレンジ色のしなやかな 「人参のきんぴら」である
まやちゃんは人参が大嫌い お弁当の蓋を開けるたびに かなしそうな顔をするのだ 残したらお母さんに叱られる なんて可哀想なのだろう
私はあこがれていた それはとても美味しそう だって私のお母さんは 人参のきんぴらを作らない 毎日お仕事があるから きっと忙しいのだろう
「食べてみたい」そう云うと まやちゃんは嬉しそうな顔をした まやちゃんにとってそれは とてもこわいものだったのだろう
甘くて美味しい 毎日食べたいなと思う そうして私は「人参係」になった
まやちゃんのお母さんが喜んで 「えらいねえ美味しかった?」と訊く まやちゃんは困った顔をして 私の顔をのぞき込むのだった
私は小さな声で「美味しかった」と云う まやちゃんは大きな声で「うん」と応える
それから毎日人参のきんぴらを食べたが こころがちくちくと痛むのだった
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