前途多難と前途洋洋のはざま日記



ヒッチコック体験

2004年06月28日(月)

なにも私が映画監督を体験したり、自分が監督した映画にチョロっと出演したりという体験ではない。

バイトが11時45分から。
お昼を食べていくには中途半端。
でも朝食を摂っただけの体ではいずれやって来る空腹になんか負けそう。
ということでパンのひとつでも腹に入れておくかと思い、カレーパンと午後の紅茶を買い、買った店の近くにあるベンチでモグモグ頬ばっていた。

少し離れたベンチには老人がひとり。
鳩にパンくずでも与えているらしくたくさんの鳩が群がっている。
それを横目にパンを頬ばり午後の紅茶をノドに流し込む。
時折鳩がやって来るものの、「このおばはん、な〜んにもくれへんわ!」と認識したらしく、私の周囲は静かなものだった。

しかし、老人が立ち去るなり鳩たちは
クックル〜
と言いながら私の周り集まってきた。

こっちのおばはんは、な〜んにもあげへんからな!!

と決め込んでパンを頬ばる私の膝に鳩が止まる。
膝の上に鳩に止まられるなんて実は初めての体験だった。

見る見るうちに周囲は鳩だらけ。
クックル〜クックル〜と鳩だらけ。
ちょっと恐くなる。

中の一羽がさかんに膝に止まる。
そのパンおくれ!とでもいうように膝に止まる。

あかん!!
あげへん!!!
絶対あげへんで!!!

そんな駆け引きの真っ直中、別の一羽が、私が今、まさに食べている真っ最中のパンめがけて飛んできたのだ!!!

「あ"」
「ふぇ」
「ぎゃ」

どんな声が出たのかよく覚えていないが、思わず恐怖におののく声が出た。


鳥が嫌い、鳥が苦手という人はけっこういる。
かわいいと思ってエサを与えていたらいきなり顔めがけて飛んで来られたとか、そういう体験がある人かもしれない。
その素早さになす術もなく、驚愕と恐怖のみが記憶に残る体験だったのかもしれない。

きょうの体験で、ヒッチコックがなぜあの映画を作ったか、わかった気がした。

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