緊張と弛緩
波が来る。
そのたびに目を覚ます。

ほんの少しの変化にも、過敏に反応する。
小さな波なのに、大きな波を思い出す。
波が来ると、全身の筋肉が緊張する。
弛緩しないまま、浅い眠りに落ちる。
強張った筋肉は、次に備えて構えを解かない。

目が赤くなるだけで、涙は出ない。
君に見られた。

 泣かないの

この一言を、励ましと受け取ることができればいいのに。
泣いても無駄と我に返る。
怒りを含んだ冷たい声で叱咤され、筋肉はまた緊張し
心は沈んでいく。

先に帰る私に向かって、笑って見送ってくれた。
私もあんなふうに笑えればいいのに。
少し努力して、力の無い笑顔を返した。

彼からメールが来た。
私からの連絡を待っていた。
現状には触れず、はるか彼方の未来への希望を
考えられればいいねと書いてあった。
彼のように一足飛びに、前に行けたらいいのに。

感情を出せる相手を失った私は
能面のように無表情だ。
筋肉は緊張したまま、思考は弛緩している。

2004年10月28日(木)

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