何を捨てようか
ここに来た時、空間に驚いた。
一人で暮らすと思ってなかったが、それでも
大きく広く嬉しかった。
一つ前の部屋に行く時、洋服箪笥二棹、和箪笥一棹
ドレッサーを処分した。
ここに来る時は、処分する必要は全くなかった。
ベッドだけ置いている部屋の大きなクローゼットは、
まだゆとりがある。

今まで何度も移転したが、女が一人で動くのは
実はとても難しい。
母子家庭なら公営住宅に入居できる。
女一人は申し込みはできても、入居の可能性はゼロ。
保証人は近親者、それも収入のある男性が基本だ。
そして在職証明。
君はこの問題を簡単に解決してくれた。

親が高齢だと、審査は難しい。
運のいいことに、私の親は現役で仕事をし、雇用される
側ではなかった。
だから、一つ前の部屋を探すとき、親のことを口にした
だけで不動産会社の態度が好意的に変わった。
君と行かないなら、私はまた親に頭を下げなければならない。
そして私は、そのつもりがない。

君と行くことにした。
悪い方向に思考を傾けず、楽しもう。
処分しようがないほどモノを持たない私だったのに
君の希望で大型テレビを購入した。
だけど見つけた部屋は、今の半分以下の空間。
そして、ひとつ前の部屋より狭い。
さぁ、今度は何を捨てようか。


2004年11月17日(水)

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