この先もこのままならば
私の気持ちは、ほとんど固まっている。
だけど、何故決められないかを君に話した。
君は今もこれからも会社に寝泊りする。
多忙な時はもちろん、仕事がなければないで会社に
ずっといる。

こんな男性に恋人であれ、妻であれ、その女性たちに
姿は見えない。
恋人であれば、過ごすのは数時間。
妻ならば、寝ている姿だけを見て、生活費を運んでくれる存在。
長年連れ添った夫婦なら、お互いに干渉しなくなるけれど
生身の人としての君を感じなくなる。

私が彼ではなく、君を選んだのは、しゃべる相手もなく
PCデスクに夕食を乗せ、モニターを見ながら食事する
ことに倦んだからだ。

だけど今、仕事を終えてから食事を作る気力は残っていない。
君は深夜過ぎまで、仕事を続け、まともな食事を摂らない。
君はこの先も病気や不慮の事故以外では、
このままの状態を続けるだろう。

私には休日があるけれど、君に休日の概念はなさそうだ。
君と出会う前と同様、私は一人で休日を過ごし、
どこにも行けず部屋にいる。

続けて2日休みを取れない仕事をして、人並みの給与を
貰っていた時期、私は空しくなった。
休日は、普段できない洗濯や掃除、食糧の買出しで
一日が終わった。
お金が無ければ飢えてしまうけど、あの当時の私は
生きているだけだった。
彼に会えるとは限らない。
会っても翌日の仕事が頭から離れない。


君と出会って夢を見た。
一緒に食事しようね。
一緒に出かけようね。
連休できる仕事をすればいい。
旅行に行こう。
大きな部屋だから、何も捨てずに持ってくればいい。

夢と現実は違う。
一緒に食事するということは、私が作るものを食べると
いうことで、一緒に出かけた休日は数回で、
私の休日は、やはり一人でいることだった。
旅行に行くことは忘れてしまった。
君と行くならば、今まで暮らした中で一番狭い部屋に
一人で住むことになる。
この先このままの状態が続くならば
また、生きているだけだと思いはじめている。

2004年11月16日(火)

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