意に反して
君が新しく借りる会社内の配置図を作っていた。
私は、いつも紙に書く。
昔は方眼紙に几帳面に書いていた。
君がイラストレータで作るのを見て、ああそうだった。
そのほうが手っ取り早いし正確だ。
二人で部屋や会社の間取り図を見ていたとき
何枚も笑えるものがあった。
この部屋、どうやって入るんだろ?
玄関がない、トイレに入るドアがない。
いい加減なものがけっこうあった。
私はまた、持っている家具の大きさを測り直した。
何度も測っているのに、そのたびにメモを取るのに
そのメモは、いつもどこかに捨ててしまった。
子供の頃、一人で旅行の支度をした。
一週間前から準備して、忘れ物がないか何度も出して
また詰めた。
回数を重ねて、今では前日の夜まで用意しなくなった。
旅行慣れではないけれど、引っ越し慣れもしたようだ。
君は諸手続きを書き出したほうがいいと言う。
役所、郵便局、銀行、ガス、水道、電気、NTT。
こんなことをソラで言えるようになるなんてね。
とりあえず、もっと詳しく手帳に書き出した。
もうすぐ、また忙しくなる。
いつまで続くのかと、溜め息が出る。
君は着々と準備を進めている。
本当は、私はじっとしてるのが好きなのに。
2004年11月20日(土)
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