衝動
会社に行って、昨夜彼に書いたメールの返事を待っていた。
読んだ瞬間に、私は会社を飛び出した。
君は外出中で、私はヤケを起こしてた。
どうにでもなれ、もうどうでもいい。
クローゼットを開けて、やみくもに服をゴミ袋に突っ込んだ。
何もいらない、もう何も持たない
整理しておしまいにしよう
何もかもおしまいにしよう
急に力が抜けて、へたりこんでしまった。
自分がやってることは理不尽でくだらないことで
それでもどうしようもなく
胎児のように身体を丸め 床に横になった。
最後に声を聞こう
彼に電話した。
何もない 空っぽで何もない
訳のわからない私の話を聞いてくれた。
もうね、疲れちゃった。
どこにも行きたくないし 何もしたくないし
なにもほしくない
彼の昼休みを台無しにしたのに、
とにかく夜電話するからそれまで待っててと言われた。
君からの電話が何度も鳴る。
私は君に会いたくない。
固定電話、携帯電話、交互に鳴り続けた。
玄関にチェーンをかけて、布団をかぶって
いつのまにか眠ってしまった。
インターフォンが執拗に鳴る。
君はさすがにチェーンをはずせない。
フラフラとベッドを抜け出し、玄関に行った。
汗ばんだ掌で、私の手を包み込み
一体どうしたんだとまくしたてる。
疲れた、疲れた、もういい
全然訳がわからない
どうしたの?
ゆっくり話をした。
あのね、いないとダメなんだ。
何もしなくていいから
横にいてくれるだけでいいんだ。
だから、そんなこと言わないで。
君はまた東京に行ってしまった。
彼から電話がかかってきた。
私はまだ混乱したままだけど、もう少しだけ
歩くことにした。
2004年11月24日(水)
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