正夢
彼からメールが来ているのに気づかなかった。
風邪が長引いているようで、元気がなかった。
少し話して、ファイルをもらった。

以前はよく、こんなふうに貰っていたなと
懐かしくなった。
違ったのは、一から私は彼に尋ねないで
自分でなんとかしようとしたこと。
少しだけわからない部分を聞いた。
彼のほうは相変わらず簡潔なアドバイス。

君から電話がなくなって何日経つだろう。
私もかけようとしなかった。
前の引越しの時とは全く違う。
電話して開口一番聞いてみた。

 私が誰か、わかりますか?

君は笑いながら、当たり前じゃないと言った。

嫌な夢を見た。
君が私に迫ってくる。
さぁ、今すぐ仕事を始めろ
PCの横に立って、私が仕事するように睨んでいた。
話すと、それは正夢だよと言われた。
すぐにやってもらわないといけないものが山積だよ。

彼に引越しまで、もうすぐだと言っても
ぴんと来ないらしい。
彼にとっては、遠くにいる私が、自分に近づいてくる
くらいにしか感じないのだろう。
他人事なのは仕方ないけれど、前の時もそうだった。

私は仕事したくないし、ここにはいられない。
彼から貰ったファイルで、少し現実逃避してみよう。





2004年12月15日(水)

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