こんな女でも
離婚した相手に「彼女」ができたらしい。
聞いた瞬間、笑ってしまった。
よかったね、と思ったり、隠れてコソコソ付き合うのは
情けないねと思ったり。
息子がバイトに行っている隙を狙って、会っていたそうだ。
息子は、父親に「彼女」ができたことを知ると
二人がいる「彼女」の家に乗り込んだ。
情けないね、相変わらずみっともないね。
息子のほうが、何倍もオトナだね。
意外だったのは、元の義理の両親は何も知らないこと。
私は、あの人たちに恨まれていると思っていた。
かわいいかわいい息子を捨てた、ロクでもない女だと。
ところが、彼らは、私に申し訳なく思っていると
聞かされた。
だから、「彼女」を作るなど、とんでもない話らしい。
一人息子を奪われ、新築の家を追い出された私。
彼らは、そう解釈したらしい。
それも彼らが知らない間に。
ある意味では、事実だ。
あの当時、使い古したカビ臭いダンボールに
荷物を詰め、必死の思いで、元の相手に貸した
モノだけを取り返し、それからの生活の元にした。
息子は、父親に彼女がいることを認めている。
再婚してもかまわないらしい。
だけど、母親に関しては、一切そんな話はしないらしい。
私が当時から、心に決めていることがある。
息子にとって、私はいつまでも母親。
この子が本当に独立するまでは、決して男の影を見せない。
そして、再婚もしない。
こんなグウタラな女にも、母親の面は残っている。
2005年01月10日(月)
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