あいつさえいなければ
やまと歩いている時、テキスタイルの展示会をしていた。
私は自分では何も創り出せないけれど、こういったものを
見るのが好き。
私がじっと見ていると、やまも付き合ってくれていた。
雑貨や小物を探していると、ショップまで連れて行ってくれ
そのショップも、ここにはこれがあるけど
あっちには、あれがあると比べさせてくれた。
ショップを決めると、今度は商品を手に取り
この部分はよくないからと色々選んでくれた。
上からモノを言う癖のある君と違って
やまの話はおもしろくて、素直に聞ける。
やまに聞かれた。
○○は、できる?
できないと思うけど、できたら何?
仕事があるかもしれない。
やまも私を気遣ってくれている。
そんなやまに、ときめきは感じない。
一緒にいて、本当に楽しい仲間。
毎日長時間一緒にいる君とは、どんどん距離ができていく。
君の話を聞いていると、苛立ちを覚えてしまう。
彼は私を取り戻すと宣言した。
そのために仕事をこなし、私に部屋を用意して
全ての費用を準備すると言った。
金銭的に無頓着だった彼が、こんなふうに言うようになった。
不思議で嬉しい。
3人の男性の中で、彼が一番世間知らずだけれど。
ようを幸せにしてくれると思ったのに。
あいつさえいなければと憎くて仕方ない。
自分のしたことを棚に上げて、あいつさえいなければ。
それはおかしいと思った。
だけど、彼の正直な気持ち。
私も同じことを思っていたから。
2005年01月19日(水)
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