胃痛






そろそろ帰りたくなってきた。
大阪は好きだけれど、実家が嫌い。
最初の数日は、赤の他人ならこうするだろうと考えて言葉を選んだ。

何日目かに父親を怒らせた。
怒りながらぶつける相手がなく、必死にこらえているさまを
見て、ざまあみろと舌を出した。

訳もわからず、高価なPCを妹に買い与え、ウィルスまみれにした話を
聞いて、そんな連中は迷惑だと言ったら怒ったんだっけ。
私は何も教えるつもりはない。

翌々日は、継母が勝手な嘆きを披露し、自分はリスカしたのよと
同情を買おうとしたので、とっくの昔に知っていたと答えた。
人のリスカ跡になど興味はない。

言うまでは、急激に背中が痛くなり胃が差し込む苦痛を
2年ぶりに味わった。
また胃カメラのお世話になりたくないので、吐き出す機会を狙って正解。

ジバンシーのスーツに、クロコのケリーを持ち虚勢を張りながら
自分は不幸だと愚痴を言う。
私に訴えるのは、筋違いだとわかっていない。



帰ってくるたびに思う。
二度と実家に帰ってきたくないと。

もうすぐ彼が迎えに来てくれる。
友達が私のために集まってくれるけれど、ひとつはキャンセルする。
これ以上ここにいたら、また通院しなければならなくなる。



2006年01月05日(木)

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