2004年12月08日(水) |
不定期連載:「イシドロよ、大志を抱け!10 ヴリタニス宿屋にて」(野良アザン徘徊) |
プチ家出してたシールケが戻ったり、お顔の綺麗な騎士とぶん殴り合ったり、海賊と戦ったり、変な小娘がいたり等々、なんだかんだあったあげく、俺達はヴリタニスで宿をとることが出来た。 シールケも意地はらないで普通の娘っこの服着たしな。‥‥‥ちょっと可愛いかも。 ま、あったかい寝床と飯にありつけたのはいいんだが、ここは今、騎士団だの傭兵だの戦争の犬達が集まっている所。シールケやファルネーちゃんを見かけると「女、おんな〜♪」と寄ってくるごろつき多数有り。ほとんどガッツの兄ちゃんがドツキまわして追い払った。 なんだよ、お前ら、娼婦のお姉ちゃんいるじゃねえか。 セルピコもさり気なく酔漢、足で蹴ってたな。
で、よ、セルピコ、どうして俺ら一緒な訳?女と一緒の部屋で、しかも男ども床か長椅子しか寝るとこねえじゃん。
「この状況で女性達と離れられますか?」
部屋の外では「女、おんな〜、おんな〜♪」と酔っぱらいの声。どんどん部屋の戸叩き屋やがる酔っぱらいもいる。その度、ガッツの兄ちゃんが「悪霊より達わりいぜ」と言いつつ、ぶん殴ってた。床に座ってるセルピコも、剣を抱えて臨戦態勢だ。 ファルネーちゃんにキャスカの姉ちゃん、なまじ目立つ美人だから、くっついてくる酔っぱらいの質悪いの何の。
そうね、野宿の方がまだましかも‥‥。
でもファルネーちゃんもシールケも旅で根性付けたせいか、この状況でベッドでけっこう眠れているのがすげえ。 じゃあ俺達、一晩番犬な訳か?眠いよ、俺。昼間、貴族の坊ちゃんと殴り合いで疲れてるんだ。
「イシドロさんは寝て下さい。何かあったら、私とガッツさんでどうにかなるでしょう。相手は突けば死にますからね」
‥‥さり気なく怖ろしい事言いやがるな、こいつ。人間殺る気前提か。ち、気構えが違うって事かよ。
「眠れませんか?イシドロさん。ではお歌を歌ってあげましょう」
ち、俺ぁガキじゃねえぜ!
「まあ、毛も生えそろっていないうちから生意気な事言うんじゃありません。ここは大人にまかせてお眠りなさい」
‥‥ハイ、そうします。張り付いたような笑顔のセルピコに、剣の鞘でぐりぐり小突かれて俺はそう言うしかなかった。
「では、最初はですね『BATTLE ROYAL』を」
あの映画の歌か?
「そっちの危ない関係の歌じゃありません。ではいきますよ?
The lion and the unicorn Were fightng for the crown; The lion beat the unicorn All around the town. Some gave them bread,‥‥♪」
おっ、いいじゃねえか!
「かえって目が冴えてしまった様ですねぇ。お次は
Who killed Cock Robin? I, said Sparrow, With my bow and arrow, I killed Cock Robin‥♪」
‥‥‥。
「おや、まだ眠れませんか?では
My mother has killed me, My father is eating me, My brothers and sisters sit under the table, Picking up buey them under the cold marble stones‥♪」
すみませんでした、もう寝ます。ほんとです。 許して下さい。しくしくしく(/_;)。
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