泡沫の記
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体調はよくない。 痛み止めを飲んでやり過ごす。 それでも痛みがゼロになりはしない。 1時過ぎに電話をくれるはずだったのに、電話は鳴らない。 こちらが電話をしても出ない。 諦めて帰る途中、ようやく電話がなった。 しげから電話があるのは多分はじめて。 時間は2時を過ぎていた。 遠くから友達がきているという。
私は自分のことがよくわからない。 だから他者の目にどう映るかを知りたがっている。 傷つけられた自尊心を取り戻そうとしている。 しげは、言葉だけは優しい。 その言葉に嘘はないと思う。 でもそれに私が期待するような感情なんて 入っていないこともわかっている。 テンションの違いだろうか。 私は彼のいいなりになっているけれど、 それも私が彼に愛想をつかすまで。 人形と同じ、彼には情がない。 私の身体を心配してくれるのは嬉しいけど、 情がない男に心配されても寂しいだけ。
わたしは寂しいけれど、でも慣れた。 しょせん、すべては泡沫(うたかた)なのだ。 ただ一人の男など現れはしない。 それならば、一緒にいて少しは愉しい男と 適度に会うことで満足できればいいではないか。 何も男を一人に決めなくてもいいではないか。 しげだけを見ていると寂しくなるから、 ほかにも付き合ってくれる男がいれば 気持ちが分散されて、しげと会わない時でも寂しくない。 しげだけじゃない。だれだって、だれだって。 唯一の存在を求めるから哀しくなる。 いまは、そうやってリスクを分散させて 自分のいいようのない寂しい気持ちを紛らわすしかない。
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