2004年07月29日(木) |
彼の名は、OZAKI |
昨夜遅くに電話した。
「もしもし・・・」 「おう、お前か。ええぞ、いつでも・・・」
話は伝わっていたらしい。
「明日はどうですか?」 「おう、待ってるぞ。」
約束の場所へ、時間きっかりに現れた男。 私の尊敬する先輩のひとり。 こんな男になりたい(・・・でもなれない)、 そんな風に思わせる人だ。
柔和な笑顔に鋭い眼光。 昔からタダモノではない方だった。 苦労人の人生を送った人。しかし、それを人前には出さない。 誰もが慕う人だ。
何年ぶりかの再会の感傷に浸る間もなく、 私の話をしっかり聞いてくれた。 その上でいくつかのアドバイスを。 私の思いつかなかった角度からズバリ! いちいち頷くしかない。
「・・・・のたうちまわれ。悩め。 悩みのない人生はない。 悩みがあるから大きく人生を変えていける。 幸福になれる。ええチャンスやないかい。 己の人生にまっこうから勝負せい。 ・・・勝てばええねん、最後にはな。 腹括れ・・・・。」
まじめな話ばかりではない。 いいタイミングで入る冗談話。 他愛もない話。 その間だけはタレ目になって可愛い笑顔になる。
しかし、それ以外は獣の眼だった。 肉食獣の眼だった。 苦労して苦労して、苦労を重ねた人生を生きた 男の眼だった。 だから、ひとつひとつの話が重い。 パワーをもらった。
「・・・・苦しんでるのはお前だけじゃないんじゃないか? そのあたりは必ずお前がフォローせいよな。でないと、 ずっと重い十字架を背負わせてしまうことになるぞ・・・。」
・・・・・大丈夫・・・かと・・・。
「・・・常に相手の立場に立って物事を考えるんや。 そうしたらおまえもわかるやろが? 何度でも伝えるんや。相手がキチンと問題を納得するまで 説明するんや。伝えるんや。」
・・・・なるほど。ほんとうにそうだ。
別れ際。
「頑張れよ!」と、肩を叩かれる。 「大丈夫や。お前はマジメな、ええ男や。昔から知っとる。 力を出し惜しみするな。まだまだそんなもんやないぞ、 お前のホンマの力は。頑張れよ。」
「・・・・ありがとうございます。」 照れながら、でも、体育会系のような 折り目正しい挨拶でお辞儀した。
「また、電話くれや、な。」 また肩を叩いて、彼は夏の夜の風の中へ消えていった。 その背中を、いつまでも見送った。
生き返った。 胸のつかえや不安がすべて吹き飛んだ! また明日から、頑張れる!
〇 NOT ENOUGH / VAN HALAN
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