INDEXpastwill

2004年11月06日(土) かわいい女の子。後編

<前書き>


 エンピツには、便利なことにアクセス解析なんぞもついています。
 いや、そりゃあ有料ですしね。金払ってんだからな。それぐらい当然だよな(←横柄なユーザー)(いやでもエンピツにしたら、ものすんごくラクチンです。エンピツ大好き)。

 で、googleなどで検索して、こちらの日記にやってきてくださる方もいるわけです。

「山崎ナオコーラ」や、「野ブタ。」や、「文藝賞」がこのところ多かったのです。それはいいよ。ひの、珍しくまじめモードだったからね。


 だが。


「王子様 まだまだだね 英語」とか。
「まだまだだね テニス」とか。
 そんなもので検索してやってきた方が、私の思い通りネタを求めている方ならいいのだけども……!
 いや。前者は。「英語」を検索にかけている時点で確信犯じゃないかと思いますが、どうでしょう。











 前回までのあらすじ。
「かわいい女の子」に目がないひのと、「かわいい女の子」の趣味が合う連れは、ターゲット松浦亜弥を一目見るべく、ライブ会場へと乗り込む!
 しかし、そこには何かがしかけた大いなる罠が存在した……!!
 詳しくは、前日分の日記を読むがいい。





 ――会場は見知らぬ土地にある。ライブが始まる。急がなければ。
 小走りで、我らは会場に向かう。
 しかし、近づくにつれ、街は異様な様相を醸し出し始める。

 ――どこは、ここは!?





 ひのが見た風景とは――













 会場前の公園で、どこからこんなに集合するのか解らないほどいらっしゃるおたくの集まりだった。











おたく

 俗に,特定の分野・物事を好み,関連品または関連情報の収集を積極的に行う人。狭義には,アニメーション・ビデオ-ゲーム・アイドルなどのような,やや虚構性の高い世界観を好む人をさす。「漫画―」
〔多く「オタク」と書く。二人称の「おたく(御宅)」を語源としエッセイストの中森明夫が言い始めたとする説が有力。1980 年代中ごろから用いられるようになった〕
(GOO辞書より抜粋)







 ついでに。
ヲタク

 なぜだかイメージとしては、太っていて眼鏡をかけていてもちろん髪の毛は手入れしていなくて油べっとりで、チェックのシャツに片方の肩にだけかけたいつから使っているのか解らないほどくたびれたリュックサック。
(ひの辞書より抜粋)












 ――こんな、絵に描いたような人々が、目の前に、まさに松浦亜弥に召還されてこの世に大量に蘇っていた。












 ま。まさか。この人たちは。全員――!?
 と、思えば。この人たち。
 チェックのシャツの下に、松浦亜弥Tシャツを着て、頭に「松浦亜弥」と書いたハチマキをしている。



















 ――我らは。この人たちに囲まれて。ライブ会場へ……。


 ハチマキ集団の熱気に溢れるグッズ売り場など目もくれずに一目散に席についた。
 三階の前から二列目だ。あやや遠いけど。いいの……、何かもっと大切なものが見られそうだから





 おとなしく座ってライブを待つ。待つ……。
 そして、始まった! と思ったら。スクリーンに画像である。その中に松浦亜弥が現れるのである。決して生ではない。

 にも関わらず。
 周りの人々が立ち上がり、沸き立ち始めた!



 ((((((;゚Д゚))))))まだ本人がいないのに!

 今にも踊りだし、身を投じかねないほどである。今からこれでは、本人が現れたらこの人たちは一体どうなってしまうのか。あまりにポカーンとしていた私は、座ったまま、松浦の映像を見ていた……いやむしろ前の人の動向を探っていた。


 そして。松浦が現れ。歌が始まると。




 彼らには彼らで、松浦とは別の踊りが用意されていた。





 踊る。歌に合わせて踊る。みんなシンクロしている。歌に合わせて、松浦亜弥へのラブリーコールを怒鳴る。
 ――もしかして、ひょっとして、家でみんな練習しているんだろうなぁ……。
「える、おー、ぶい、いー、らぶりー、あやや!」
 そんなにひっきりなしに叫んで……お前ら、歌、全く聞いてないだろ。と、思わず小声で突っ込んだほどである。いやしかし、ここでは我らだけが浮いているのである。我ら以外は全員踊っているのだから……。しかし立つ気にもなれずずっと椅子に座ったまま、松浦を見守る。
 前の人は、松浦がたった二曲歌っただけだというのに、ほとばしるような汗が……。普段、運動していなさそうだから……(涙)。





 そんなこんなでライブはずっとその調子。
 我らだけが浮いていた。いや。私の隣に座っていたお姉さんが、あの周りの中で唯一我らの仲間といえた。握手をしたくなったほどである
 我らは三人で、おそらく、前で踊り続ける男を見守っていた。だって、あまりに興奮しすぎてはみ出ちゃって、警備員に注意されたからな……。











「みんな、今日はどうもありがとーーーー!」




 笑顔を振り撒いて挨拶する松浦亜弥。
 ――私も微笑んだ。

 ――あんた、プロだよ……。( ´,_ゝ`)







 そして。ライブが終わると。
 我らはそそくさとその場を去った。
 ――松浦亜弥ライブのお土産袋を持っている者を見たらとことん避けた。










 ライブが終わってからの感想。
「松浦は、プロだよ。私には無理だよ」
「ある意味、いいものを見せてもらったよ」
「これはギャグだ。我々は、ネタのためにこのライブに行ったんだ――」










 その日から、我らは松浦亜弥を「かわいい女の子」として見なくなった。
 その後、大塚愛ブームがくる。












 ――大塚愛のライブは。大丈夫だと。思うんですが。どうなの。いやでも、あれって、貴重な体験だったの、私には。またしたいかどうかというと、微妙なところなんだけど。











 ちなみに、人々にこの話をネタとして話したら、
「そんなん考えれば解ることじゃん」
「当たり前じゃん」
 と言われました。
 そ、そんなにオタク認知度が高いライブだったのか……_| ̄|○













 ――上述の内容に不快感をもたれた方、申し訳ございません。
 ですが、私としては、即刻チェックのシャツにリュックでハチマキをやめられた方が、今後のあなたにとっても懸命な判断ではないかと思います。
 いや、ほんと……。よく知らなかったけど思い描いていたとおりの人々が目の前に召還されました。本当に自分の中でネタな思い出です。いやもうまじで。私の反応は、普通の女子の反応だと思え! 以上!




一言ございましたら。

    トップ
    紹介
    小説
    短編小説
    日記
    リンク
    メール