死にたくなる。 何気ない会話の中、 相手は何の気にも留めてないような言葉を、わざわざ拾ってしまって。 些細なことが気に掛かって、最近はずっとそう。
さっき夜回り先生の映像が流れた。 それを見るよう、母親から電話が掛かってきた。 別に見るのはいいけどさ。あたしだけが見て何になる? あたしは夜回り先生の存在もリストカットも自殺についても、ある程度知ってる。 何も知らないあんたが、見たらいいんじゃない? まぁどうせ、たとえ見たとしてもどうこうする気も無いんやから いっそ知らん振りをしてくれた方が、よっぽどマシだ。
見るならあたしだけでなくて、周囲も見てくれなきゃ何も変わらない。 あたしだけでどうこう出来たなら、あたしはこんなに息苦しくなる前に もっと何とかしたよ。 もがいて足掻いて、それでもどうにもならんくなったから あんたらに話したんじゃないの。
あんたみたいな人、いーっぱいおるわ。って、それ わざわざあたしに云うこと? いっぱいおるなら良かったね。自分の娘だけが異常な訳じゃぁないんだって 少しは安心できたかしら。 リストカットを家族の所為だと云い切れはしないけど (単にあたしがそれを選んだだけで、あたしの甘えであったんだから) 少しは自分たちにも何か考え直すところがあるかも知れない その程度は思ってくれてもいいんじゃない? 思って考えた上で、考え直すところなんて無いって云うなら、それでいいからさ。
面倒になるわ、何もかも。 何も大して辛い目になんか遭ってないじゃないって、そう思うだろうけど ただその些細なことが、生きることよりもしんどく感じるだけ。 あたしの中で、自分の命よりも重いだけのこと。
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