限定鼓動

2004年10月03日(日) いつかの日

追試再試が終わって、昨日からバイトも復帰して
あー、何か…次々と日常が戻ってくる。
日常に戻っていく。

母は、もう居なくて
どんなに「ただいま」と叫んでも、「おかえり」なんか返ってこなくて
仕事が長引いた日、少し疲れた顔をして「ただいま」を云う母も
二度と帰ってこない。

親は何れ喪うもので、母親が死んだことも、何等特別なことじゃぁ無い。
けれどそんな風に幾ら理解し直してみても
全て受け入れ昇華して手を合わせられる程、私は強くなかった。
強い弱いの話じゃないんだろうけど、
私にはまだまだ無理だ。

あんな母子関係でなければ、後悔も少しは薄れたろうか。
気が合わなかったのも、お互い口が悪かったのも、お互い様の事実で
その時その時は、お互いに必死だった。
けれど失くして気付くのでは遅いと、
もう何度も経験しているのに、また繰り返し。
大切なものは失ってから気付く、だなんて
どこかの歌詞みたいだ。

二度と会えない貴女へ。
身勝手に、いっそ、潔い程に叫べるよ。

ごめんなさい、と
ありがとう。

呼吸が弱くなってきた貴女を前に、
耳だけはずっと聴こえてるから、という医師の言葉を信じて
囁いた言葉、聴こえたかなぁ、母さん。

…大好き。


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陽 [MAIL]