限定鼓動

2006年04月01日(土) 例えば君が笑うなら。

…たとえばきみがわらうなら。

例えば君が笑うなら、僕は何だってしよう
そう、君がふざけて云った
あのビルから飛び降りることだって
君さえ笑ってくれるなら
それで構わないなら
僕は喜んで受けよう

傷ついてみてよ
痛みを知ってよ

だから僕は、君を抱き締めたこの腕を切り刻んだ
君と繋いだ掌にナイフの刃先を握らせた
ビルには遠く及ばないけれど、階段から落っこちてみたよ
煙草の火を押し付けてみたよ 骨が軋むくらい壁を殴ってみたよ

でも全部他人事だ
表面が傷んでも、僕は気付けなかったし
君は笑わなかった

君が居なくなってやっと
僕は傷付く痛みを知ったんだ
今なら間違えたりしない
君が笑ってくれるなら
僕は何だって、何だってするのに

真っ白な装束に身を包まれた君は
もう2度と笑わなかった

たとえばきみがわらうなら
ぼくはこのせかいをいきぬいてみせるし
たとえばきみがわらうなら
ぼくはこのせかいからとびおりてしまうこともできるのに


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陽 [MAIL]