限定鼓動

2011年08月11日(木) voice

この声が届くなら
枯れ果てるまで叫ぶのに


ひとつふたつ、拾い集める
溢したものを確かめながら
ひらりふらり消えていった
アナタの影を探しながら

掬い上げる数など知れて
取り零すものばかり増える
ただ、失くしたくないのに
その手を離したくはない、なのに


『ねぇ、どうせ居なくなるなら』
『あたしの傍に来ないで』

そんな我が儘通らないならさ

『拾った眼を逸らさないでよ』
『あたしが消えるその日まで』

せーの、で壊すまで


叫ぶ声が届くなら
声が枯れて喉潰しても
その手をとれないのなら
こんな両腕いらない

この声が届くなら
アナタの為だけに音を紡ぐ
その姿を見失うなら
色も形も何もいらない

この声が届くなら

アナタの名前だけ残して




 ≪ back  index  next ≫


陽 [MAIL]