ぶらんこ
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ひどく悲しいことがあった。 心なんてモンは、弱っちくてへなちょこでふにゃふにゃでちっとも役に立たないものだ。 ということを、存分に思い知らされた。
悲しみを溶かしに夕陽を見に行こう。 重い気持ちを海へ還そう。 そう思って車を走らせたのだけれど、だんだん、晩御飯の仕込みが気になり始めた。 料理長は食材を無駄にはしないものでしょう?
どんなに悲しみが深くとも、それがなんだっていうのだ。 悲しみはいつまでも続かない。 満ちてはひいていく潮とおんなじだ。
だから何よりも今夜の食事。 ちゃんと作りしっかり食べてぐっすり眠る。 今日が過ぎ、明日が生まれ。
甘えるな。 顔をあげろ。 わからないことを嘆くな。
自分は自分であれ。
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