ぶらんこ
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2007年01月20日(土) ユムタ

「おやっとさぁ〜」
この言葉。
テレビのCMではよく聞く。
芋焼酎の名前にもなっている。

先日、この言葉を初めて生で聞いた。
訪問先の患者さんの家で、お客さんが「おやっとさ〜」と言いながら何かを届けに来たのだ。
どうやら畜産組合のお年始のご挨拶がわりの品物だったらしい。
おばちゃんは「ありがとさんね〜」とお礼を言っていた。

わたしは感激してしまって「初めて聞きました!『こんにちは』の意味でしたっけ?」と訊ねた。
するとおばちゃんは「いんや。お疲れさんです、っちゅうことじゃいねー」と教えてくれた。
それが妙に嬉しくて、なぜか心のなかの良いところへと入ったようで、リハビリを終えたばかりの患者さんに「おやっとさぁ〜」と言ってみた。
患者さんはにっこりと笑って頷いた。奥さん(おばちゃん)は「そうそう。そんな感じで使うんよ」と喜んだ。

なんとも気分が良くなって、それからも事ある毎に「おやっとさ〜」と口にしてみた。
最後にはおばちゃんから「そう何度も使うもんじゃなかよ」と、笑われた。


・・という話を先日、友人にしたところ。
「そんな風にここの言葉を使おうとする姿勢って大切だね、良いことだと思うよ」と言う。
間違った使い方であったとしても、だ。


そんな風に言われて、あらためて思い返してみた。
鹿児島の言葉=かごんま弁=ヨソ言葉
これはわたしの中でずっと変わらずにあった式だ。
今もそうだと思っていた。
でも、どうやら違ってきたらしい。
何かが変わった。
その「何か」とは「自分」なのだろう。


それは素敵な発見だった。
そういう「ゆるやかさ」って良い。
自分がなんぼのモンじゃ。 という感じ。



ところでもうひとつの式。
島口=島ユムタ=わきゃユムタ
これは今も変わらない。
島のユムタは、なちかしゃ(愛しい)。
先の友人の言葉も、実際は島ユムタでのもの。
ユムタの向こうにある「情」のようなものを感じることが出来る。


友人に感謝。
あらためて思ったのだが、ひとと話すことって、常に新しい発見が伴うものだ。
彼がわたしを通して見つけたもの。
わたしが彼を通して見つけたもの。
お互いがそれを素直に口に出来ることもまた、嬉しいことだと思う。

♪歳をとるのは素敵なことです

みゆきの詩は最高。
この唄を一緒に口ずさめる関係というのも、また、ほらしゃ。


ユムタ っちば むじらさ やぁ〜。
どぅし っちば ありがて なんやぁ〜。




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