ぶらんこ
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2007年02月03日(土) 宇宙船と老婆

宇宙ステーションで暮らしている。といっても、内部はどこかのホテルのよう。
老婆がちいさな宇宙船で旅行に出ようとしている。長い間帰らない夫のところへ行くのだという。
目の見えない老婆。目に見えぬものを見ることのできる老婆。

わたしは老婆がきっと夫には会えないだろうという気がして、何か声をかけようと思うのだが、
そんなことをいう意味なんてないじゃないか、と思い、やめておく。
わたしの考えも人々の考えも、老婆はすべて知っている。


宇宙船には少年もひとり乗り込んでいる。
ふたりが知り合いかどうかはわからない。
どこの惑星へ向かうのだろう。

ふたりのことが気になって、わたしは遠くからずっと眺めている。




marcellino |mail