ぶらんこ
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“洋の暮らしをこころがけましょう”
病院の待合室で見つけた言葉だ。 腰の悪い患者さんに対する色々な対策が述べられており、それらをまとめたのがこの一言であった。 個人的には、こりゃかなり強引じゃないか?と、思う。 こんな表現では、きちんと理解されないでしょう。医療側からのアドバイスにしては、なんともお粗末。
「洋の暮らしって、何じゃ?」一緒にいた姉が言った。 「たぶん、椅子の生活っちゅう意味じゃないか?」 ふ〜ん。。。といった表情の姉。 「けど、椅子に座ってるとキツイんだよねぇー。やっぱ、床っちゅうか畳に座るほうのが楽なんだよねぇ〜」
しかーし。実は、その「暮らしのなかの姿勢」っちゅうのが問題なワケで。 腰痛を予防するための椅子への座り方は、簡単に言うと、背筋を伸ばし、姿勢よく、深く、腰掛ける。 これは、意識してでないと、なかなか出来ないものだと思う。 また、床に座る場合、あぐらや足を投げ出すのは、腰に負担がかかっている。 だから、本人は楽なのかもしれないが、実は腰には良くない。 ま、知っててもなかなか出来ない、っちゅうのが本当のところでしょう。
そう言えば、母もそうだった。 ソファではなく、いつも床に座りたがる。いや、座るというよりも、足を伸ばすといった感じ。 (彼女は心臓が悪いので、足を下ろしていると浮腫んでしまうこともあり、その加減が難しいのだ) で、立ち上がるときが一仕事だった。えーっこらどっこいしょ!と、本人も周囲の人間も、大騒動だ。 これは、ちょっとした喜劇だった。ちょびっと涙を誘うような、喜劇。
歳をとると、身体のあちこちにガタが来る。 だから、あっちこっちを、まぁまぁとなだめながら暮らしていかにゃならんのだ。
今日、ひとり掛けのリクライニングソファに座っているときに、ふと、 あーーーこれって「洋の暮らし」なのか???と思った。でも、自分にとって「洋」とはなんぞや?
しばし考えてみたが、これは結構、奥が深いことのよな。。。「わたし」を客観視するための一手段でもあるのかも。 「和」「洋」そして、「島」かな〜。
「ね、洋食を食べましょう、とか、そういう意味じゃないよね」 姉の言葉を思い出し、ひとり、ぷぷっ と笑っている。
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