ぶらんこ
indexpastwill


2008年09月04日(木) どんぐり

畑の手入れをしていると、上からどんぐりが落ちてきた。
ポトン、コロコロコロ。転がってってコトリと止まったそのどんぐりの先に、どんぐり。
ほぉ。。。あらためて周りを見ると、あらまぁあちこち、どんぐりだらけだった。

うへー。驚きとともに眺めていたら、今度はバラバラと降ってきた。
バラバラバラ、コロコロコロコロ。
まるで、どんぐり雨。
思わず、ひょっとしてトトロが来たのかな?と、樹を見上げた。

おーい。何か言いたいことがあるのー。

心のなかで叫んだけれど、トトロは姿を現さなかった。
やっぱり大人には見えないのか。
それとも、声に出さなかったからか。

しばらくして、どんぐり雨は止んだ。
それでも動かずにじぃっとしていたら、たまーに何個か、ポトンコトン、と落ちてきた。



先週、樹を切り倒そうかと思う、と夫が言っていたのを思い出した。畑の日当りをもっと良くしたいのだそうだ。
わたしは・・・どうも気が進まない。だから、枝を切るだけで良いんじゃないの?と言っておいた。
夫もそれに同意した様子だった。というか、切り倒すという考え自体、それほど本気ではなかったのかもしれない。



サツキとメイのどんぐりは、ムクムクと芽を出し、どんどこ大きくなって、巨木へと育った。
あの場面を見て、どれだけわくわくしたか知れない。夢だけど、夢じゃない。夢だけど、夢じゃない。
でも、残念ながらあれはお話の中だけのこと、とも思っていた。


ここに住むようになって、実際にどんぐりが芽を出すのを知った。
「神経質になることはないけど、どんぐりは気付いたときに拾っておかないと、芽が出て大変な思いをするんだ」
夫に言われたときには、わたしをからかっているのだろうと思った。
大変な思い、って、森になるわけでもないでしょうに。


しかーし。それは本当のホントだった。
もちろん森にはなってない。でも、庭のいたるところに木の芽が出た。沢山、沢山。

木の芽の根は、しっかりとしている。それを抜くのには案外力が要る。草と違って、茎も固い。
放っておくと、順調に育っていくものと思われる。それくらいの強さがある。
だからいつかは森になるだろう、放っておいたらの話だけれど。



・・・トトロは森を広げたいのか?


閃いて、樹を見上げた。どうしよう・・・困った。


どんぐりは拾わずに置く。鹿やりすが食べたいだろうから。
でも、来年も、庭の木の芽は抜く。それから、森は森で、そのままにしておく。



トトロ、これでいかがでしょうか。






marcellino |mail