2003年10月08日(水) |
第46章 新たなるスタート |
あきらちゃんは、次第にすさんでいった。
彼は、訳もなく、時々不機嫌になる。 それは何も、私だけにではなかった。 会社でも、高瀬さんに対して、訳も言わず、怒った態度をしてみたり、 みかちゃんに対しても、細かな事で、突然、怒り出したり。
一月に入って、生活費は一切入れてはくれない。 そのお金で、よく飲み歩いていた。
それだけならまだしも、会社で、管理していたお金にも手をつけて、 自分の遊びのために使っている様子が伺えた。
このままでは、会社を軌道に乗せるどころの話ではない。
飲みに行ったりするのが、悪いとは言っていない。 しかし、こんな生活状態で、 会社のお金にまで手をつけて飲み歩く神経。 そして、自分だけが辛い思いをしているような態度。
その日、私の体調は、最悪だった。 立っているのもやっと。 その体調のせいか、気分は沈みっぱなし。 不安定な想いが頭をかけめぐる。
あきらちゃんが、また飲んで、夜中に帰ってきた。
私は、いままで我慢して溜めていたものを一気に吐き出した。
「こんな状態で、よく飲み歩けるね! 家に帰ってきても、塞ぎ込んでばかりで、 会社でも、あんな態度で。。 いつも、私は、あきらちゃんの機嫌を伺いながら生活しないといけないの?! 高瀬さんだって、アルバイトしながら、会社に行ってるんだよ! それでよく会社おこせたね! それでも男?! なさけないよ! 自分ばっかりが、しんどい思いしてると思ったら、大間違いだよ! みんな一生懸命がんばっているのに。。 あきらちゃんは、自分で何もしてないじゃない! 会社をやりくりするお金がないって、自分で何か努力したの? 悩んでるだけなら、誰だってできるよ。 人に頼る前に、自分で、夜中まででも働いてでもやり抜きなさいよ! 一人で暮らしたほうが、よっぽどよかったよ。」
最後の一言は、つい、口をついて出てしまった。 言うべき言葉ではなかったと思う。 私が選んだ道でもあるのだから。。。。。
あきらちゃんは、それでもまだ、あのフッと人を小ばかにした様な 笑いを浮かべただけだった。
あの時期、彼も、うまく行かないことを悩んで、 自暴自棄になっていたのかもしれない。
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