2005年03月17日(木) |
「きらきらひかる」再読/いつか終わりが来ること |
「きらきらひかる」再読了。
久しぶりに読み返してみて、いまさらながらものすごい話だなぁと思う。
ものすごい、というのは同性愛について扱っているという点。
なんだか漫画みたいな気分になる。
あるいは昔読んだ「富士見2丁目シリーズ」みたいな。
(その小説はとてもマニアックなので、説明を省きます)
でも、
ものすごい話だなぁと思いながらも、笑子と睦月の、
それぞれの「素直さ」と「善良さ」とに、相変わらずやられてしまう。
羽根木さんの「ショーコちゃんはジョウネツテキでセツナテキだから」という台詞。
同じような台詞を、以前夫とは別の人に言われたなぁと思い出す。
「なんでそんなに刹那的なん?」というふうに。
だって刹那だったじゃない。と、今なら毒づいてみせる。
ずっとこのままでいたいと思ってすがっていたのに、
心の奥ではこの人との関係は刹那的なものなんだと分かっていた。
いつか終わりが来る。ということが、
私の中で、とてもはっきりしている恋だった。
そんな恋もあったなぁ。
*
夜、眠る前、布団の中にもぐって電気を消し、
まぶたが落ちるまでの少しのあいだ、
私のことを「刹那的」だといった人のことについて考えていた。
あの人のいったいどこらへんが好きだったのか。
今ではそう魅力的とも思えない数々のことを、
ひとつひとつ思い出し、
それでも、あの頃はそういったことが気にならない程好きだったわけで、
そして、そういう格好悪い数々のことを、
お互いに見せ合ってきたのだなぁと思った。
正直、なんだか恥ずかしい。と思った。
そういう無我夢中の頃の自分。
恐れを知らない自分。
恥ずかしいなぁと思いながら、眠りについた。