遠くにみえるあの花火に
DiaryINDEXpastwill


2005年04月07日(木) 春の湿度

島本理生さんの「ナラタージュ」を読んでいます。

この人の書く物語は少女漫画のようだなぁと密かに思うのですが、
でもいつも、ひっそりと森の中で息をひそめているような、
しっとりとした濃霧の湿った匂いに似た文体が、なんだか好きなのです。
実際、物語の中には雨やシャワーや、何かしら湿度を連想させる情景が多いような気もする。

体の内側の湿度。
吐く息のあたたかいしめり気。

物語の中は夏だというのに、(いや、日本の夏だからか)
じめじめした湿気が、多く語られている。


いま、半分読んだところ。
本をぱっと開いたときに、その文字のサイズ(小さい)と、薄さ(なんとなくグレーっぽい黒)に驚いて、
島本理生さんらしいような気が、なんだかしたのでした。








ここしばらく、お仕事が忙しかったのですが、
それが理由で日記を書いていなかったのではなく、
ただ春なので怠け者を再発していただけのような気もします。

昨日は夫のくまたろうに連れられて、夜桜を観に行きました。
ライトアップもまともにはされていないような、小さな町の小さな桜並木だったのですが、
それでも缶ビールを飲みながら夜道をぶらぶらしていると、なんとなく幸福なのでした。

久しぶりに二人きりで居酒屋に入り、ひとしきりしゃべりました。
「三代の松」という名の栗焼酎があったので、珍しいと思いそれを頼みました。

栗、の風味はあるようなないような。
一口目だけ、ほんのり甘みがある気がしましたが、
あとはただ強いお酒だ、という印象でした。

思いの他酔いがまわっていて、二人でちどりながら家路に着きました。








春の雨のしめり気と匂いがなんだか好きで、
このいい香りのする季節を楽しみながら日々をおくっています。


豆ごはん |MAIL

My追加
素材提供