遠くにみえるあの花火に
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2005年08月16日(火) 五山の送り火。チカチカと光るものの正体

今年もまた、五山の送り火をマンションの屋上から眺めた。
昨年同様知人のお宅にお邪魔し、
片手にビールやチューハイを持っったまま屋上に上がる。

屋上の床はスポンジのようなふわふわとした素材でできていて、
一歩ずつ歩くたびにこころもとない感じがする。

夫やその友人たちは、漫才コンビのTIMのように
全身をつかって「大」の字をつくっては喜んでいる。

私は去年ここに書き記したことを思い出そうとしながら、
去年抱いたのと同じ感想をまた抱いた。
―街の中心からやってくる白いまたたき(カメラのフラッシュに違いない)を、とても美しいと思う。―

部屋に戻ってから、よく冷やされたロゼがおのおののグラスにそそがれ、再び宴が再開される。
その口当たりの良い甘いワインにうっとりし、ホスト役であるご夫婦の手料理に舌鼓をうつ。

それから、
誰かが手土産にもってきたオレンジ色のチーズ。
こちらはしっかりとした赤ワインにとてもよく合う。
塩気の強いチーズ。
なんていう名前だろう?
尋ねるのを忘れてしまった。

おいしいごはんも、おいしいお酒も、魔法みたいに一瞬だけど、
そのチカチカした感じは、さっき見た白いまたたきと同じくらい美しいと思う。

たのしいこと、ゆかいなこと、幸福なことは、
いつもその辺でチカチカ光っていて、
手をのばすとか、見る角度を変えるとかするだけで、
ちゃんと自分のそばにあると簡単に感じることができるもののような気がしてくる。

いつものごとく酔っ払い、
最終の二つ前くらいの電車に揺られて帰ったけど、
帰ったあともなんだかふわふわとしていた。







京都の人は、五山の送り火が終わると秋の訪れを意識するらしい。
翌日から、秋めいた涼しい風が吹きはじめたことも、
また本当のこと。



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